巡回診療の医療法上の取り扱いについての改正と医療法人の定款の記載方法について

平成24年10月1日付にて、巡回診療所の取り扱いが改正されています。

巡回診療所については、昭和37年6月20日通知により、診療所に該当するものとして、原則として開設の許可(法人の場合)または開設の届(個人の場合)が必要とされています。

ただし、開設の主体が地方公共団体、公的医療機関の開設者及び公益法人等(医療法人も含む)が無医地区における医療の確保等を目的として特に必要な場合にはその手続きが簡素化されていました。

これが、この10月1日通知をもって、実施主体に関わらず同様な取り扱いがされることになりました。

また医療法人が行う場合の定款変更の取り扱いについては以下のように取り扱われています。

医療法人が巡回診療をその病院・診療所のある都道府県内で行う場合には、定款第4条に診療所の開設場所が記載されており、その病院・診療所の開設許可を得ていれば特に定款変更をせずに、また新たな診療所の開設の手続も必要なく、一定事項の届出をするだけで行う事ができます。

これに対し、医療法人が定款第4条で定めた病院・診療所の開設場所のある都道府県以外の場所で巡回診療を行う場合には、定款変更認可を受け巡回診療を行う旨を定款に記載したうえで、実際に巡回診療を行う都道府県にて、巡回診療車を診療所とみなし、診療所の施設の代わりに巡回診療車などを移動診療施設としてその構造設備、実施主体である法人の住所、その都道府県内での連絡先、実施責任者である医師(歯科医師)の氏名、実施計画などを提出して許可を得て巡回診療を行う必要があります。

この場合の定款の記載については、東京都から厚生労働省に照会した回答として、定款第5条(付帯業務をきさいする部分)に巡回診療を行う旨のみ記載すればよい事となっております。

一度、定款第5条に巡回診療を行う旨を記載してしまえば、その後巡回診療を行う場所が変わったとしてもその都度巡回診療の場所を定款変更する必要はなくなります。

平成24年10月1日医政発1001第7号
「巡回診療の医療法上の取り扱いについて」及び「医療機関外の場所で行う健康診断の取り扱いについて」の改正について