持分あり医療法人から持分なし医療法人になってしまった場合の課税問題について

平成19年の医療法改正前からある医療法人で、法改正の手続き時に法人の知らない間に持分の払戻し請求権が無くなっていたと取次事務所への損害賠償が頻発しているらしい。
あなたの所は大丈夫ですか?

医療法施行規則第30条の39第3項により一度持分なし医療法人の定款に定款変更してしまった後は「持分なし」の医療法人社団から「持分あり」の医療法人社団に戻ることはできません。

税務調査で持分なし法人への移行に伴う、持分の放棄について指摘された場合には、ほとんどの医療法人が同族経営の医療法人なので、非課税要件は満たさない為、医療法人の贈与税の申告漏れが指摘されるでしょうね。

単なる持分なし法人への移行についての取扱いの回答ではないですが、基本的な考え方の参考に以下の国税庁への照会から、課税問題について抜粋して掲載します。

【出資持分の定めのある社団医療法人が特別医療法人に移行する場合の課税関係について(照会)】

医療法人に対する贈与税課税
移行に伴う出資持分の放棄については、出資者の全員が行うものであり、出資持分の定めのある社団医療法人への後戻りはできないこととされているから、当該放棄に伴う出資者の権利の消滅に係る利益は、結果として医療法人に帰属するものである。そのため、個人出資者の放棄については、相続税法(昭和25年法律第73号)第66条第4項の規定による課税の問題が生じる。
すなわち、当該放棄により個人出資者の親族等の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるときには、医療法人を個人とみなして、贈与税が課税されることとなる。